presented by Consultants NOVARE. Inc.

~ 不確実な時代に、確かな基軸をもつ経営をおこなうために ~

正しく恐れる 補足2020年04月10日 10:47

 今回の新型コロナウィルス騒動のような「先例のない」「緊急である」場合にこそ、解決策を立案するためには合理的な思考法が必要だ。そうではないと右往左往しかねない。そのため、ブログ『正しく恐れる(1)~(5)』においては、問題発見・解決法および意思決定法に則って考察を進めてきた。ここでは、その概略を説明しよう。

1.前提を確認する
 まず(1)(2)で、COVID-19 の特性により、感染者数を高い精度で把握することは原理的に困難であること、解決の進捗を把握するためには死亡者数が適切であることを考察した。次に、日本での死亡者数推移の現状を把握するために札幌医科大学作成の資料を検討し、欧米諸国と異なる状況であることを確認した。
 さらに(3)において、医療体制がボトルネックになることを検討した。ブログではベッド数しか記述していないが、詳細な議論のためには、その他にも医療関係者数や治療設備なども検討しなければならない。

2.問題を定義する
 問題をどのように定義するかは最重要事項である。なにを、どのように、解決するかに関わってくるからだ。いま、国や地方自治体あるいは世論などは、ウィルス撲滅とか感染拡大阻止といった漠然としたイメージで動いているようにみえる。そのため、さまざまな情報に踊らされ、不安に陥り、過剰反応している面が多々見受けられる。緊急事態であるから無駄なことをしている余裕はない。真っ先に、正しく(それはつまり現実的に)問題を定義すべきなのだ。
 そこで(3)において『(社会システムへのダメージを最小化しつつ)感染による死亡者数を最小化する』と問題を定義した。

3.課題を抽出する
 問題が定義されれば、その問題を分析して、その構成要素である課題を抽出しなければならない。上述の問題から抽出される課題として、要治療者のベッドの確保、日常活動(とくに消費などの経済活動)の確保を考察している。そのほかの課題である医療関係者の確保や治療設備の確保については考察していない。

4.課題解決策を考案する
 一般にはさまざまな課題解決策が考えられるため、意思決定法にしたがって合理的な解決策を採用しなければならない。一般的な意思決定のプロセスは、①目的の明確化、②前提の確認、③オプション(選択肢)の列挙、④オプションの評価、⑤オプションの選択、である。
 そこで(4)において、放置、適度な行動規制、完全な行動規制という三つのオプションについて、簡単なシミュレーションを用いながら検討した。
 その結果、定義した問題『(社会システムへのダメージを最小化しつつ)感染による死亡者数を最小化すること』を解決するもっとも現実的な策として(5)に至ったのだ。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://novare.asablo.jp/blog/2020/04/10/9233819/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。