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~ 不確実な時代に、確かな基軸をもつ経営をおこなうために ~

金沢フォーラム総括2016年07月10日 01:46

日本商工会議所「第5回商工会議所経営指導員全国研修会」(全国フォーラム) in 金沢
ものすごい負荷だった準備と怒濤のような2日間を終え、疲れもとれたところで総括しておこうと思う。

《意図》
構造的要因に目を向けず、表面上の改善策に終始している従来型経営支援から脱却できずにいる現状を打破し、あるべき姿である伴走型支援を実施するための「型」を提供することまたその知識を内面化(暗黙知として落とし込むこと)する経験を提供すること
ここでいう「型」とは、現状把握⇒経営問題定義⇒問題分析⇒経営課題抽出、というプロセスのこと。

《研修内容》
 「型」の知識は、事前テキストで各自が事前学習(連結化)する。研修当日は、グループディスカッションで具体的事例の「経営問題の定義」(第1日)および「問題を分析して課題抽出」(第2日)を実施。講師によるコメントや他グループの結果を参考にして理解を深める(内面化)。


《所感》
まず驚いたのは、我流、自己流から脱却しようとしない姿勢であった。テキストを学習し、その内容を自分に取り入れようとする姿勢が感じられた事前課題は1割程度に過ぎず(なぜか女性はこのパターンが多かった←これについては伊藤先生とも意見が一致)、多くはテキストを眺めた程度であり、まったく読んでいないと判断せざるを得ない事前課題も少なからずあった。このように自己成長しようとしない(あるいは、しなくともよいと思っている)生ぬるい風土が業界全体に蔓延しているのは由々しき事態である。少なくとも前者1割の足を引っ張る存在となりかねない。基調講演が、意識改革を要求する厳しい内容になったのは仕方あるまい。

「経営問題の定義」が、なかなか上手くいかなかったのは、「あるべき姿」が明確になっていないからである。事業とはどうあるべきなのか、売上げとはどんな意味をもつのか、品揃えとは何なのか等々、一見あたりまえと思えることを批判的に認識していないことが露呈された。そのため多くのグループは現状から問題を定義しようとして失敗していた。それはすなわち「視点が低く、視野が狭い」ことを意味する。支援者にとって致命的ともいえる欠点である。

全体として、思考が構造化されていないという印象をもった。いわば地図をもたずに知らない土地を歩いているようなものだ。ディスカッションの内容がふらふらしているのも、それが原因である。まさに「思考の型」が必要なのだ。これについては別の機会に提供していきたい。

多くの弱点が明らかになったが、それでも参加した会議所がこの「型」にしたがって支援を進めれば、全体の1/3に達する。これが全国フォーラムの意義であろう。今後もこの方向でフォーラムが運営されることを強く望むものである。

<Facebook Buissinessグループ 2016/7/10 投稿記事転載>

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