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モデル化思考 012016年08月17日 00:29

モデル化の例として、前橋ものづくり指南塾で扱った「混浴露天風呂に入る外国人をどのように理解するか、旅行客をモデル化する」について考えてみよう。

まず「要素」を集める。自分の経験だとかテレビで見たとか。
-修学旅行で京都に行ったときは、観光名所に連れて行かれて、わけもわからず写真を撮って回ったなぁ
-テレビで見たけれど、はだか祭に参加するために来日する外国人がいるみたいだ
-東南アジアの人々は北海道で雪景色を楽しむらしい
-家族で旅行に行って蕎麦打ち体験したっけ
などなど。実際にはもっともっと集める。

次には、これら要素に「関係」を導入する。関係の種類はたくさんあるけれど、この場合は「ある基準に従えば、これとあれは同じだ / 異なる」という基準を探すこと。ここが難しい。しかし直感はなかなか役に立つ。どれとどれとは同じ匂いがするという感覚でグループ分けすればいい。

すると多くの人は3つのグループに気付く。
A:見ただけ。記録として写真を撮ったり、お土産買ったり。
B:現地ならではの体験をしてくる。蕎麦打ちであったり絵付けであったり。
C:その他

Aはまさに『観光』だ。難しいのはCに属する要素に共通する特徴を考察すること。(そうしないとBとCとの線引きができない。)外国人が露天風呂に入るのはCになりそうだ。はだか祭に参加する、ホームステイする・・・など要素に戻って考える。ぼくが考えているのは、理解 / 共感というキーワードだ。

すると3つのグループは次のようなキーワードでくくることができよう。
A:観光 ⇒ B:体験 ⇒ C:理解 / 共感
Bが、あらかじめ用意されている、都合のいいところだけ、という性質を持つのに対して、Cは、地元の日常や習慣に自分から飛び込む、都合のいいところも悪いところも、という違いが浮かび上がるだろう。

さらに「メカニズム」を考察して仮説を構築する。
旅行することがたやすくない場合には、観光それ自身が貴重な経験となるだろう。しかし観光が容易になれば、それ自身はたいした意味をもたなくなる。そこで、現地ならではの体験が貴重になるのだろう。それにも意味を見出せなくなれば、現地の生活や文化、風習などに興味が向くのではないか。つまり、現地との関与の仕方がどんどんディープになっていくというメカニズムで説明できそうだ。

最後に「モデルのテスト」。いろいろな現象をこのモデルがうまく説明できるかを考察する。最近のシニア層は、ループル美術館に絵を見に行く数ヶ月前から、歴史や絵画の背景などを学習する勉強会を開催するそうだ。これはAからCへの動きと解釈できる、など。

旅行客をモデル化した重要な点は次の通り。
-さまざまな旅行客を分類することができる
-旅行客に対する深い知見を得ることができる
-このモデルによれば、今後どのように変化していくのか予測することができる
-旅行客を増加させるためのさまざまな有効な施策を考えることができる

<Facebook / Bussinessグループ 2014/5/29記事の転載>

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